熱中症対策事例
IoTセンサーで確認作業の負担を大幅軽減

 

センスウェイのWBGT[暑さ指数](※)ソリューションを導入いただいたアスクルロジスト様にお話を伺いました。

※WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)[暑さ指数]…熱中症予防を目的として提案された指標、湿球黒球温度。体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つの値を取り入れた指標です。

写真:アスクル社ロビー(左)ASKUL LOGIST株式会社 安全管理部 フォーク安全管理課 鈴木 拓哉(すずき たくや)様
(右)ASKUL LOGIST株式会社 安全管理部 作業安全管理課 出山 純(でやま じゅん)様

社内の安全管理を徹底しているアスクルロジスト

―まず、鈴木さん、出山さんの部署の位置づけとご自身の役割について簡単に教えていただけますか。

鈴木様:当時は、社内の物流の安全を管理する部署である安全管理部の物流安全管理課に所属していました。現在は、今年度より新設されたフォーク安全管理課にてフォークリフトに関する安全管理を行っています。

出山様:安全管理部の作業安全管理課に今年5月から所属しています。現在は横浜物流センターとも兼任しており、物流拠点や配送拠点での安全管理を行っています。
本社部門直轄である安全管理部の役割は、各事業部で適切に安全管理が実施されているかの確認や、拠点単位で法令や社内ルールが順守されているかのチェックを行うことです。

―その中でWBGT計測はどのような位置づけなのでしょうか。

鈴木様:1番の目的は、夏季の熱中症対策となります。年々夏場の気温が上がっていく状況の中で、いかに熱中症を減らし、働きやすい作業環境を整えることができるかが重要となります。そのための足掛かりにしたいと思ってシステムの導入を考えました。

1日4時間にも及ぶWBGT確認の負担を軽減したい

写真:安全管理部 出山様

-今回のシステムご提供までの経緯と導入の決め手を教えていただけますか。

出山様:これまでは、目視による温度・湿度の確認と、WBGT値の算出および端末への入力作業を拠点単位で行っていましたが、確認作業に膨大な時間がかかっていました。
ある拠点では、1人の作業量に換算すると1日あたり4時間分の作業となっており、担当者の負担となっているケースもあったため、以前より改善方法を模索していました。
その後、自動化について検討することとなり、各社の提案を受けて検討していましたが、センスウェイさんの提案が最もランニング費用の負担が小さく、現状のコストを抑えられるものでした。また、閾値や画面デザインなどの細かい要望を聞いていただけたのも大きかったです。数社比較していましたが、パッケージ型のものだと、細かい仕様の変更ができず、センスウェイさんのソリューションの自由度が高かったところも決め手の一つです。

確認作業の負担が大幅に軽減

―実際にWBGTソリューションを利用してみていかがでしたか。

鈴木様:メリットとしては、これまで人の手で行っていた倉庫内を回ってチェックする作業が必要なくなり担当者の負担が軽減されました。その分浮いた時間を他の作業に使えるようになり、作業効率も上がったと思います。また、リアルタイムで倉庫内のWBGTの状況がわかるので、作業スタッフへの注意喚起がしやすくなりました。本社などの遠隔地でもモニタリングできるようになったことも、安全管理を行ううえでのメリットになっています。
その他にも、1階は涼しいが4階は暑いなどの細かい状況も随時チェックできるようになったので便利との声も現場から上がってきています。一方、一部で電波状況や環境起因によるセンサー異常も起こっており、どう対処していくかが今後の課題となっています。

-導入前にあった課題は解決できましたか。

鈴木様:先ほどあげたセンサーエラーへの対応など、別の課題が見つかったので現状は7割ほどの達成率かと思います。ですが、課題の一つであった確認担当者の負担という部分においては限りなく0に近く削減できました。また、空調管理で温度を一定保てるようになったことにより、無駄な冷房が減り電気代削減になったのではないかという話もありますが、昨年のデータとの比較ができていないため、ここについては検証中となります。

その他センサー活用への期待が高まる

写真:安全管理部 鈴木様

-センサー活用について今後検討されていることはありますか。

出山様:以前より、自動倉庫の上部と下部で温度差が生じているのではないかという懸念がありましたが、なかなか確認できていませんでした。今回センサーを設置することで温度状況を確認することができるようになったため、今後はセンサーデータを活用した自動倉庫内の温度管理を行っていければと思います。その他だと、照度や騒音のセンサーなどは衛生管理面からも活用できるのではないかと思います。

鈴木様:次のSTEPとして、サーバールームの室温管理なども自動化できればと思っています。現在、物流業界においてもシステム化がどんどん進んでいて、サーバーダウンへのリスクも高まってきています。例えばエアコンの故障などによる室温上昇を早期発見できるようになれば大きなメリットになると思います。

-今後センスウェイに期待することがあればお聞かせ下さい。

鈴木様:いろいろとこちらの要望を聞いて、使い勝手の良いアプリケーションを作っていただき感謝しています。アプリケーションの画面を見るのが各拠点ごとに10名前後いるため、時々動作が重くなることがあります。今回新しいアプリケーションに生まれ変わるとのことなので、そういったレスポンス部分についても改善されていると嬉しいです。

出山様:倉庫内で見るアプリなので、明るさなどオフィスとは異なる環境下でも視認しやすい画面であることが望ましいです。今後もそのような現場からの声を吸い上げて改善し続けていただけるといいなと思います。

社名 ASKUL LOGIST株式会社
事業内容 一般貨物自動車運送事業・貨物利用運送事業・倉庫業・その他関連事業
設立 2009年4月21日
従業員数 3283名 (2022年5月20日現在)
URL https://www.askullogist.co.jp/

※ 記載内容は2023年2月時点の情報です。

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