「日本LoRaアライアンス普及開発推進協会」の設立発表会レポート

2018年11月14日、展示会　ET & IoT Technology 2018 内でのセミナールームにて、国内のLoRaWAN™に関わる重大発表がありました。
ここにセンスウェイも参加しましたのでレポート致します。当日は会場の定員を遥かに上回る、プレスと業界関係者の方にご来場いただきました。

ET_technology_seminar

まず最初に、今回の重大発表が行われました。
それは、日本LoRaアライアンス普及開発推進協会（英語名：The LoRa Alliance Japan Marketing Taskforce）の設立発表です。

LoRa Alliance　Japan marketing taskforce Final_title

この会は、LoRaWANの規格を定めるLoRa Alliance の国別組織として世界に先駆けて日本で設立された組織となります。

LoRaWAN™ NETWORK COVERAGE

LoRaWANの利用は世界で進んでいます。2018年10月時点で世界でLoRaWANを取り扱うネットワークサービス事業者は96社となり、
100ヵ国でLoRaWANの利用が進んでいます。
今回の取り組みは、LoRaWANが利用されている各国で、より深く市場浸透させる為、世界各地域に焦点を合わせた活動が重要とLoRa Allianceでの議論があり、
そのモデルケースとして日本で、日本LoRaアライアンス普及開発推進協会が設立されました。

LoRa Alliance　Japan marketing taskforce Finallpwa_市場グラフ

田丸喜一郎氏

日本LoRaアライアンス普及開発推進協会会長田丸喜一郎氏

日本LoRaアライアンス普及開発推進協会　代表の田丸氏の発表によると、IPAの「2017年の組み込みソフトウェアに関する動向調査」における現時点で重要な技術の一位に”無線通信・ネットワーク技術”、また今後、強化/新たに獲得したい技術の二位に”IoTシステム構築技術”とされ、IoT/LPWAに関連する事項が非常に関心が高い現状があります。また、LPWA関連モジュールの流通量並びに市場規模も今後数年で飛躍的な伸びを見せるという総務省の予測データもあります。

しかし、現段階でのLPWAの市場が「成長している実感が持てていないのが現状」と言うのが業界関係者の多くの声だと田丸氏は述べています。
その打開策として、LPWAの主要技術であるLoRaWANに携わる各社の連携を強化することで、日本国内での市場の成長を促進し、ひいては、日本のIoT産業とIoTを活用する全ての産業の発展に貢献できると考え、その推進母体として日本LoRaアライアンス普及開発推進協会を設立したとのことです。

センスウェイCMO益子純一

センスウェイ株式会社　益子純一

つづいて、日本LoRaアライアンス普及開発推進協会の運営についてセンスウェイ　CMO　益子より発表しました。
今回の設立メンバーとしてはLoRa Allianceに加盟していて、日本市場で活動し、今回に取り組みに賛同した20団体となります。学術機関として東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻 IoTメディアラボラトリーの参加も発表されました。今後は随時、参加団体を増やしていくとのことです。

LoRa Alliance　Japan marketing taskforce 組織図

当初の活動組織としては、技術面の課題に対応するテクニカルWGと市場認知の課題に対応するマーケティングWGがあり、またテクニカルWG内に具体的なソリューションを検討するソリューションSubWGとセキュリティ対策等を議論するセキュリティSubWGで運営するとのことです。

LoRa Alliance　Japan marketing taskforce Final_活動内容

具体的な活動目的は「日本でのLoRaWANの普及促進」として、方針としては、以下の三点となるとのことです。
・日本国内でのLoRaWANの認知向上に向けた活動、情報発信
・日本国内でのLoRaWANを利用したシステムが構築できるIoT技術者の育成
・日本市場での要件をまとめ、LoRaWAN標準規格に関する開発要望をLoRa Allianceに提案
特に、文献や情報の日本語での発信に力を入れていくと述べていました。

LoRa Alliance　Japan marketing taskforce Final_参加団体